干し柿ができるまでの工程を市田柿(ころ柿)を例にして概要をご紹介いたします。ころ柿というのは干し柿の種類をさし、水分含量がおよそ25%程度になるまで乾燥させるものです。対比されるものとして、あんぽ柿があります。これは比較的水分量の多い干し柿です。

原料柿の栽培

干し柿の原料となる生柿は11月上旬頃に収穫します。収穫適期は糖度、色味、気温の状況などから判断します。樹上で十分に適熟となったものをコンテナに収穫していきます。蔕(へた)の部分が緑がかっているものは、適熟ではないので避けます。

皮剥き

収穫された柿は、サイズの選別をしてから皮剥きを行い、柿すだれを作っていきます。現在、皮剥き作業は機械化が進んでいます。

柿すだれづくり

乾燥させるために、連(れん)にして吊るしていきます。ワンタッチで蔕をひっかける紐が販売されています。かつては軒下に吊るされていた柿すだれですが、現在は衛生管理された屋内やビニールハウス内で吊るされます。(一部自家用や観光用に軒下に吊るしている生産者もいらっしゃいます)

硫黄くん蒸

吊るされた柿を二酸化硫黄の煙でくん蒸します。これは鮮やかなカキ色(オレンジ色)を残すためには必要な作業です。この作業をしないとタンニンの酸化で真っ黒な柿になってしまいます。また虫除けやカビ防止の観点からも必要な処理です。硫黄くん蒸は、衛生管理上必要な工程であると同時に、食品衛生法上の食品添加物として使用が認められており、安全性も確認されています。

乾燥

急激に直射日光で乾燥させると表面だけが乾燥してしまうため、直射日光をなるべく当てないよう、じっくりと時間をかけて乾燥させていきます。徐々に時間をかけて乾燥させることにより、しっかりと水分が抜けるのと同時に糖分の凝縮が進みますので、甘い干し柿を作るのに必要な工程です。乾燥工程には期間縮小のために空調機械や火力乾燥が取り入れられることもありますが、脱渋との同時進行のため、単に乾燥させればよいというものではなく調整技術を必要とします。 また、水分が抜けていく過程で、柿の渋みの原因であるタンニンが不溶化します。そのため、渋味を感じなくなり、甘味だけが際立つのです。

粉だし・寝かせこみ

一定期間乾燥したら、その弾力を確認します。この固さの判断は、熟練農家の経験によって判断されます。乾燥しすぎるとカチカチの柿になってしまい、乾燥が足りないとフニャフニャの柿になってしまいます。適度な固さになったら、柿すだれの連から柿をはずして、まずは蔕(へた)の軸を切り取ります。 その後、ドラム式洗濯機のような専用の機械に入れて、攪拌します。この工程は柿もみと呼ばれて、乾燥させた柿の水分調整と、特長である白い粉を出すために必要とされます。この工程により、柿はほどよい柔らかさになります。 また、攪拌した柿を冷たい風にさらすことで、表面ににじみ出た糖分が結晶化して白い粉をつくります。この白い粉は主にブドウ糖を主成分とする糖分の結晶です。

検品・梱包

以上の工程を経て、白い粉と柔らかさの状態を確認しておいしいおいしい干し柿が出来上がります。出来上がった干し柿は出荷に向けて、厳重な検品によりふるいわけられ、基準に合ったものだけがパッキングされて、商品となります。 また長期保管されるものは、しっかりと梱包された後に冷凍保存されます。