干し柿の栄養価と解説

中程度のもので1個40gほどの重量ですが、原料の生柿のサイズによって大きいものから小さいものまであります。岐阜県の堂上蜂屋などは1個250g近いものもあり大きな干し柿です。市田柿はもともとの生柿が100g程度のものが中心のため、干し柿も小ぶりなものになります。

渋み成分はタンニンというお茶や赤ワインなどにも含まれている成分です。このタンニンは生の渋柿では水溶性であるため、舌が渋みを感じます。ところが、アルコールや炭酸ガスでの処理をしたり、時間をかけて乾燥させたりするとタンニンが不溶化するため、渋みを感じなくなります。

エネルギー(カロリー)は100gあたり276kcalあります。これは生に対して水分量が抜けて重量が1/4程度まで成分が凝縮されるためです。
ただし、生柿に多く含まれるビタミンCは100gあたり2mgと少なくなります。
例えば、干し柿1個30gとすると、エネルギー量は約83kcalになります。おなかが空いた時に手軽にエネルギー補給するときによくバナナを食べるとよいという話を聞きますが、バナナ1本(約120g)が計算すると約103kcalですから、なかなかのものです。もしかすると忍者の携帯食として重宝されていたかもしれませんね。

食物繊維は14.0gと多く、そのうち水溶性の食物繊維の割合が高く、果物に含まれるペクチン質は食物繊維であり、柿にも多く含まれています。それが独特のねっとりした食感を形成しています。
干し柿のミネラル分については、乾燥により凝縮されるため、ナトリウム4mg、カリウム670mg、カルシウム27mg、マグネシウム26mg、リン62mg、鉄0.8mg、亜鉛0.2mg、銅0.08mg、マンガン1.48mgを含んでいます。
柿の色あいを特徴付けているあの色の主成分はβカロテンであり、多く含まれています。干し柿になるとさらに濃縮されβカロテンは1400μgと多く含まれています。また、葉酸は生柿よりも干し柿のほうが多く35mg含んでいます。
残念ながら生柿に豊富に含まれているビタミンCは、干し柿になると2mgとほとんどなくなってしまいます。
干し柿

あんぽ柿は比較的水分含量が高く、ころ柿は水分含量が比較的低いという特徴があります。ころ柿の場合、水分含量は100gあたり24g程度であり、そのため、冷凍保存した後に解凍しても、元の食感が損なわれることが少なくおいしく食べることができます。

干し柿の食べ方

干し柿は、そのままでも自然の甘みが凝縮した高級和菓子のようなものですね。特にその甘みの成分は果糖・ブドウ糖など含まれており、果糖はハチミツにも多く含まれる糖分です。果糖が多く含まれているとされる市田柿などは甘さが濃厚であると評価されています。
干し柿は、その自然な甘さから各地の和菓子の原料としても重用されています。乳製品(生クリーム等、チーズ、バターなど)との相性がよいです。試したことがない方はレーズンバターをイメージされてはどうでしょうか?またチョコレートとの相性もよいです。
また、水分が少ないころ柿の場合、冷凍しても、その質感は損なわれないため、夏場にひんやりデザートとして召し上がるのもよいのではないでしょうか?
海外で流通している干し柿には日本で見られるスタイルの他、平べったい形をした中国のスタイルのもの、また、スライスされて乾燥させたドライフルーツスタイルのものがみられます。

干し柿の天ぷらなども南信州では干し柿の食べ方の一つとして楽しまれています。

なお、干し柿の多くは渋柿から作られていますが、ジャムなどに加工をする場合、熱の加え方によっては渋が戻ってしまうことがあるので 注意が必要です。

参考文献:
五訂増補日本標準食品成分表